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【書評】ジェフ・ベゾス 果て無き野望-アマゾンを創った無敵の奇才経営者 

昨年末に予約までして購入していた本書ですが、
未読本を片付けていたこともあり、先日やっと読み終わりました。

以前のエントリーに書いた通り、 私は複数の本を併読して読むことが多いのですが
本書については読み始めたら止まらない状態で、他の本など目もくれずに
気がついたら読み終わっていたというぐらい夢中になって読んでしまいました。

 

本書の構成


本書は言わずと知れたAmazon.comの創業者でありCEOのジェフ・ベゾスの
自伝であり、Amazon社にスポットを当てた書籍の決定版とも言える本です。
構成としては、95%がAmazon.comで5%がジェフ・ベゾスのパーソナルな部分に
関する記述がされています。


目次

第I部 信念を貫く

■第1章 アマゾンは金融工学の会社から生まれた
貪欲に学ぶ几帳面な若者/経営手法を応用して結婚相手をみつける/
インターネットであらゆる商品を販売する/とにかく西へ向かえ

■第2章 冷たい目を持つ聡明な男
シリコンバレーからシェル・カファンがやって来る/数カ月でガレージから脱出する/
モノを売って儲けているんじゃない/1995年にいよいよサイトオープン/
ベゾスに賭けた投資家、見送った投資家/ありえない目標/急成長で会社評価額が6000万ドルに/
ベゾスが土下座した新機能/我々は月まで行ける/競合に負けずに株式公開を成功させる/
ウォルマートの精鋭が参加、古兵は去る

■第3章 ベゾスの白昼夢と社内の混乱
新しい製品カテゴリーを探しだせ/バブルまっただ中を果敢に挑む/ウォルマートから人を引き抜く/
ランキング、1クリックの発明/オークションサイトの失敗/ベゾスの白昼夢/
ペイジとブリンに魅せられグーグルに出資/おもちゃも家電もたっぷり仕入れろ! /
「とにかくやってみよう」賞品はぼろいスニーカー/クリスマスにおもちゃが足りない! /
クレージーな第4四半期

■第4章 宿敵アナリストに打ち勝つ
社内をまともにする/宿敵アナリストがアマゾンの破滅を予測/プラットフォームへの道を踏みだす/
顧客体験を大事にしない部下は叱りつける/社員も敵に回してマーケットプレイスを始める/
小売界の巨人、ウォルマートCEOと会う/株価の急落、大量の人員削減/コストコ創業者からアイデアを盗む/
9・11の日/マーケティングより配送無料/止まらない人材流出

第II部 書店サイトだけでは終わらない
■第5章 ロケット少年 
実の父はサーカス団員/キューバ難民の養父に育てられる/子ども時代の夢は宇宙飛行士/
エジソンのような発明家になりたい/宇宙に行くため金持ちになる/秘密の会社、ブルーオリジン

■第6章 混乱続きの物流システム
ひどい物流システムを再構築せよ/ピザ2枚チームで対処せよ/使えるシステムがないなら自前で作る/
開発はプレスリリースからさかのぼる/ベゾスの狂気がたびたび発動/
社員にはプレッシャー、社外には規模を武器に交渉/我々はアンストアだ/
Amazonプライム誕生/物流センター従業員との対立

■第7章 テクノロジー企業であって小売企業ではない
優秀な技術者を次々雇う/シリコンバレーに乗り込む/停滞、訴訟で社内は最悪/
技術系の大事な側近、ふたりを失う/ティム・オライリーの貴重な助言/
クラウドサービスAWSのはじまり/AWSは必要だからやるんだ/
クラウドソーシングの考え方をいち早く取り込む/利益率が低ければ競合が減る

■第8章 キンドル誕生
電子書籍ベンチャーからの売り込み/音楽事業でアップルに敗北/いままでの本の事業をぶちのめせ/
ベゾスがキンドルの仕様を決める/弱い出版社から交渉しろ/10万冊を必ず集めろ/
出版社に伏せられた9ドル99セントという価格/ガゼルは傷を負い、チーターは走り回る

第III部 伝道師か、金の亡者か
■第9章 グーグル、アップルと並ぶ会社になる
急成長が始まる/ザッポスに狙いを定める/獲物を追いつめてつかまえる/
ターゲットとウォルマートからの攻勢/大手出版社6社VS アマゾン/スティーブ・ジョブズと戦う

■第10章 ご都合主義
売上税をめぐって戦い抜く/課税の損失は取り返す/ベビー用品をめぐる仁義なき戦い/
商品を引きあげたナイフメーカー/アマゾンは手を出さずにいられない麻薬/
ビデオストリーミング事業に乗り込む/アマゾンが出版社になる日/クールか、クールじゃないか

■第11章 疑問符の王国
ジェフ・ベゾスを知らなかった実の父/社員が恐れる「?」/数字と情熱を武器にしろ/
何十年も先を見て速く動け/家族も大事にする/エブリシング・カンパニーへ


Amazon本の決定版


私はIT企業の自伝本が大好きであらゆる企業に関する本を読んできたのですが、
アップル本における「スティーブ・ジョブズⅠ・Ⅱ」やGoogle本では「グーグル ネット覇者の真実
-InThePlex」など各企業本において決定版といえる書籍は1冊に絞られると感じています。
Amazon.comに至っては既に「ワンクリック」という素晴らしい書籍が出ており、情報量の多さと
フォロー範囲の広さから本書がワンクリックを超えられるか疑問を持っていました。

しかし読み終えてみて、関連人物への綿密な取材から表れる波乱の展開は
スティーブン・レヴィの「グーグル ネット覇者の真実-InThePlex」を彷彿させるような
手法で描かれており、Amazon本は本書1冊でOKといえるような決定版とも断言できる
クオリティでした。

また、本書はAmazon.comの伝記でなく、ジェフ・ベゾスの自伝として
作成されているので、生い立ちから創業、Amazon以外での活動からKindleまで
これ以上ない幅広い内容が時系列でフォローされている点が一番の魅力です。



ジェフ・ベゾスというカリスマ


まずジェフ・ベゾスという経営者の人間としてのキャラクターから
経営者としての手法、カリスマ性に関するエピソードがふんだんに書かれている部分に
目をひかれます。

有名なケタケタしい笑い方や、要所要所の重大な場面における決断力など
ポスト・ジョブズと呼ばれる理由も納得できるカリスマ性が発揮される場面が多々出てきます。



徹底した顧客第一主義


以前から、このキャッチフレーズはベゾスのインタビュー記事などで
聴いてはいましたが、正直いって、ここまで戦々恐々とした状況を乗り越えて
ベゾスは顧客第一主義を貫いてきたのかと度肝を抜かれました。

中でもKindleリリースまでの電子書籍戦争前夜の出版社との交渉は
凄まじく激しい戦況が生々しいまでに書かれており、
周囲の関連企業やAmazon内部の幹部達までもが猛然と反対する中、ベゾスが絶対に譲らない
顧客第一という姿勢は、それまで数千冊しか取り揃えていない電子書籍ストアが殆どである中で
10万冊という規模の電書ストアをオープンさせ、更には紙の本より安い価格での提供という
ダブルパンチで業界を震撼させるまでのプロセスは最大の見所です。
近年、日本でも話題になっているKindleの低価格販売に対する出版社側/他書店の不満は
こういった交渉過程から生まれているのか。と実感できます。

徹底した倹約主義


前述の顧客第一主義=低価格を実現するために、ベゾスは社内においてあらゆる
贅沢を排除して創業以来の徹底した倹約主義を実践している様も圧倒されました。

大企業にありがちの官僚主義や、贅を極めた幹部の待遇などの大企業病にAmazonが陥っていない
理由は、全て顧客のために低価格を実現しようとするベゾスの確固たる信念が見て取れる
エピソードが多々書かれています。



Amazon以外でのベゾス


ベゾスの生い立ちや、生き別れの父への取材など通常の取材本から1歩踏み込んで
書かれているのも本書のユニークなところです。

また、Amazon以外の活動においてスペースシャトルの会社であるブルーオリジン社にも
関わっている様子や初期のGoogleの才を見抜いて投資までこぎつける先見性に関する
貴重なエピソードも描かれています。 



読み終えてみて、IT業界に興味のある人、Amazon.comに興味のある人には
読んで損しない名著だと思います。
また、小売業界/書籍業界を脅かしている企業として描かれている場面も多々描かれている
(とゆーか、半分近くはそーかも)ので、ITに興味の無い方にもオススメできる1冊です。

 



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