先日の記事で読むぞ!と宣言してから早数ヶ月・・
相変わらず事実としては積ん読状態ですが、買うペースが早過ぎるのと、
ダラダラな並読が続いているためで、決して読んでいないわけでは無いのです・・。
と、言い訳はこれぐらいにして最近読了した2冊をメモりたいと思います。
ツイッター創業物語
昨年アメリカで出版された時から大変話題になり、翻訳されるのを最も楽しみにしていたのですが、
感想としてはその期待を上回る出来でした。
初めてと言ってもいい程、読み始めてからは釘付けになりました。
今のところ、今年読んだ中で一番面白かったです。
ノンフィクションながらも物語調で語られる展開は伝記ものでは味わえない臨場感と
登場人物達の感情がナマで伝わってくる感覚に陥ります。
事実を小説風に書かれた本として、イメージとしては、映画「ソーシャル・ネットワーク」の原作となった「facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男」に近い感じです。
特に驚いたのは2点。
・エヴァン・ウィリアムスはブログサービスでも成功していたこと
・ジャック・ドーシーの描かれ方
1点目は、私の知識不足だったのですが、創業者であり、殆ど本書の主人公と言っても過言ではない
エヴァン・ウィリアムスはブログを広めた功績もあり、その過程も全て描かれています。
2点目は、私の知っている(世間ではジョブズ2世とも呼ばれている)ジャック・ドーシーとは
イメージが全く違う描かれ方をされており、アメリカでは物議を醸したようです。
具体的な描かれ方はネタバレなので控えますが、仕事面だけでなく
恋愛や嫉妬などパーソナルな部分でもそれらが随所に描かれており
読み終えてからの彼に対する印象は180度変わりました。
果たしてどちらが、本当のジャック・ドーシーなのか、ますます興味も・・
また、本書の主題でもある「裏切り」の場面は、予想を上回る緊張感で
正直言ってFacebookの創業物語より遥かに根深いので
是非とも、本作も映画にならないかと祈るばかりです。
Webとはすなわち現実世界の未来図である
雑誌「Wired」やニュースサイト「ギズモード」などを日本に上陸させて
テクノロジ業界では著名な小林弘人さんの新作です。
読み終えてみて、さすが独特と先見性に満ちた視点を持たれている著者ということもあり
大変勉強になったの一言です。
ポイントとしては、Webの世界の変遷、シェア、オープンなどの手法からどのようなサービスや
現象が生まれていったのか。
また、日本企業はそれらのムーブメント/方式ついていけているのか?ついていけていないのであればその理由は?
IT業界以外でも同じ理由があるのでは?
などなど、正にIT業界だけでなく国内の経済全体が課題として抱えていることにWebを切り口に
ふれれており、テクノロジ/Web業界については詳しい気でいた私も
確かに!と納得させられる事から、こんな視点もあったか!と気づかされたりと、
大変勉強させて頂きました。
「フリー」「シェア」といった名著を仕掛けたことで有名でもある小林さんですが、
本作でも上記2テーマに関わる記述が多くあり、Webが「その後」どのように形成されているのか
わかる一冊となっています。
以上、駆け足で紹介してきましたが
同じIT業界を題材にした本でも全く異なる2冊ですので
物語と楽しみたい方にも、多様な視点を持つために勉強したい方にも
大変オススメです。
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